小売業を低迷させた原因は、アマゾンなどのネットショッピングではない

アメリカでは小売業の閉店や破産が相次いでいます。原因として、アマゾンを始めとしたネットショッピングの台頭が挙げられますが、ネットショッピングは要因の一つでしかありません。

eコマースはアメリカの小売業を崖っぷちに追いやっている要因のごく一部に過ぎない。

「数学的に考えて、アマゾンのせいではあり得ない」


実際に、ネットショッピングの売上高はまだ小売業全体の8.5%に過ぎません。

eコマースの売上高は、金額にして小売業全体の8.5%に過ぎない。残りの91.5%は、未だ実店舗での買い物だとアメリカ国勢調査局のデータが示している。


小売業低迷の大きな要因は、小売業者の過剰出店と、人々の消費習慣の変化の2つです。

間違いなく影響を及ぼしている要因が2つある。小売業者の過剰出店とアメリカ人の消費習慣の変化だ。


1990年代にはショッピングセンターやモールの出店が全国で相次ぎ、これが過剰出店に繋がりました。

小売業者は需要がいずれ追いつくと期待して、1990年代に何百ものショッピングセンターやモールを全米で急速に展開した。


現在、1人あたりの小売面積は2006年の水準の2倍になっています。小売面積を2006年と同じ水準に戻すには、店舗の半数近くを閉鎖する必要があります。

アメリカにおける小売面積の余剰は、1平方フィートあたりの売上高の低下を招いた。不動産調査会社グリーンストリート・アドバイザーズによると、シアーズのような小売業者が2006年の水準を取り戻すには、店舗の半数近くを閉鎖しなければならない。


さらに、人々の消費習慣の変化も影響しています。「モノ」よりも「体験」にお金を使うようになったのです。

特筆すべきは、消費者が「モノ」よりも「体験」を購入している点だ。
この傾向は特にアパレル小売業者に打撃を与えており、その背景にはソーシャルメディアの台頭があると同氏は指摘する。
「『モノ』よりも『体験』の方が、ソーシャルメディア上で話題になりやすい」


ヘルスケアやテクノロジー、教育などの分野にもお金が使われるようになり、「モノ」を買うために使われるお金はさらに減っています。

加えて、ヘルスケア、テクノロジー、教育などその他の分野で消費者の支出が増えていることを考えれば、ここ10年間でショッピングモールから客足が遠のいてしまったことにも納得がいく。


加えて、不況を経験した消費者は、「できるだけ安く買う」ことが習慣になりました。

また、いざ「モノ」を買うとなっても、消費者の大半は正規の価格を支払うことはない。不況時に学び、それ以来身に付いた消費習慣だ。


ネットショッピングは小売業に大きな変化をもたらし始めていますが、現時点で小売業低迷の一番の要因がネットショッピングにあるとするのは、お門違いです。

急成長を遂げるeコマースは、いずれ小売業全体に対し、更なる影響力を持つだろう。しかし、現時点でeコマースを小売業低迷の最大の元凶として責めるのは、お門違いだ。


出典: アマゾンではなかった…… アメリカの小売業を低迷させた2つの元凶 | BUSINESS INSIDER JAPAN